厚生労働省から、平成30年8月中頃、「平成29年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果」が公表されました。

今回公表されたのは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成29年4月から平成30年3月までの期間に不払いだった割増賃金(不払い残業代)が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。

 

平成29年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント

  • 是正企業数→1,870企業(前年度比 521企業の増)

うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、262企業(前年度比 78企業の増)

  • 対象労働者数→20万5,235人(同 107,257人の増)
  • 支払われた割増賃金合計額→446億4,195万円(同 319億1,868万円の増)
  • 支払われた割増賃金の平均額→1企業当たり2,387万円、労働者1人当たり22万円

 

監督指導の対象となった企業では、その監督指導のもと、定期的にタイムカードの打刻時刻やパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか確認するなど、賃金不払残業の解消のためにさまざまな取り組みを行い、改善を図っているようです。

厚生労働省では、引き続き、賃金不払残業の解消に向け、監督指導を徹底していくとのことです。

平成29年度の是正結果を見ると、是正企業数が増加し、支払われた割増賃金の額なども大幅に増加しています。これは、次のような取り組み(*)を実施するなど、監督指導・是正指導が厳しくなった結果といえるでしょう。

*厚生労働省では、委託事業により、インターネット上の賃金不払残業などの書き込み等の情報を監視、収集する取り組みを実施しており、労働基準監督署は、その情報に基づき必要な調査等を行うこととしています。

例)例えば、こんなケースが紹介されています。

インターネット上の情報に基づき労働基準監督署が立入調査を行った結果、その企業では、自己申告により労働時間を管理していたが、自己申告の記録とパソコンのログ記録や入退室記録とのかい離が認められ、また、月末になると一定の時間を超えないよう残業を申告しない状況がうかがわれるなど、賃金不払残業の疑いが認められた。

★支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり2,387万円ということで、とても大きな金額ですね。「我が社は大丈夫」という思い込みは危険です。日頃から、労働時間は適正に把握しておきたいものです。

 

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